古い日記を整理していたら、こんな言葉が残っていた。
●黒沢清監督から直接貰った言葉、
『「ナショナルアンセム」はよく撮ったよ。君は自分の才能に自信を持って良いと思うよ』
●中原昌也さんから貰ったメール、
『いきなりですが『ナショナル・アンセム』傑作ですね!凄く面白かったです。才能ありますよ、西尾さんは!』
↓
ビックリして「厳しい意見も下さい」と返事
↓
『これはわざわざ僕が言わなくとも自覚されてるんでしょうが、
黒沢清テイストが強すぎるところが気になります…。
群像劇という意味ではエドワード・ヤンの「恐怖分子」を
ちょっと思い出させはしましたが…やっぱり黒沢節ですね!
後半になるにしたがって何か初期の黒沢さんの映画っぽくなってるし。
いや、それでもなかなかよく出来てるし、すごく才能を感じましたよ。
自主でここまで出来れば大したものです(確かに音声の同録とアフレコにバラつきを感じますが)。
僕に言われなくても、黒沢さんテイストを徐々に消していく作品を作って行くのだろうと思います。』
『アカイヒト』は東京では知る人ぞ知る怪奇映画、『ナショナルアンセム』も関西では知る人ぞ知る陰謀映画。知る人ぞ知る映画というのは、見た人たちはそのあまりに異様な感触に撃たれ「見た見た」とその異様さを語りたくてたまらなくなるのだが、何故か一部のコアな映画ファンの間でのみ語られるにとどまる、そういう映画なのだが、今回の『狂気の海』カップリング上映の大きな目的の一つは、そういう映画を堂々と公開し、あってもいいことにしてしまおうと、そこにあった。
しかし、僕自身、ユーロスペース2の大スクリーンと音響でこの2本と久々に出会い、驚いた。まったく別の映画にすら見えるのだ。
きっかけは、町で浮浪者が空を指さして呆然と立っていたのを目撃してしまったからに他ならない。
目は見開き、口は声にならない叫びをあげていた。
狂気。
僕はその一言で片づけて、その場を去った。
しかし、あれは呪いだったのだ・・・
この映画は、その呪いの産物だ。
いきなりだが、今日から自作について、ぽつりぽつり語らせていただく。
(西尾孔志)
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